戦国時代の武士、VRゲームで食堂を開く
オイシイオコメ
第1話 虎一郎、甦る
この小説はすでに公開しております「VRおじいちゃん」の30年後を描いた作品になります。
こちらの小説だけでもお楽しみいただけますが、VRおじいちゃんをお読みいただけますと、よりお楽しみいただけます。
―― 1584年 ――
「はぁっ、はぁっ、
乱戦の
その武士、名を
虎一郎は使い物にならなくなった
「
「うむ! 承知した!」
「後は
虎一郎は
「まだまだぁ!!」
しかしその時、一発の乾いた破裂音が戰場に響いた。
パン!
「くっ!」
「こ……、虎一郎!!」
虎一郎は父親の目の前で敵の
◆
その後、
「虎一郎……」
父親は涙を流すと、
「
ズッ
虎一郎の父親は虎一郎の首を切り落とすと涙を流しながら抱え上げた。
そして近くの川へ持ってゆき、
「無念……」
するとその時、近くに
「あれは……、
虎一郎の父親は虎一郎の頭を置いて
そして虎一郎の首も
「さあ行こう、虎一郎」
虎一郎の父親はそう言って
――――――――――――――
next : get the status of A4480
check ...............ok
sight : 99.8%
brain : 89.6%
body : 94.8%
next : run A4480 (A4480を起動)
――――――――――――――
「はっ!!」
虎一郎は目を覚ました。
虎一郎は
細身の男性は笑顔になると虎一郎に話しかけた。
「こんにちはA4480。体を動かせるかい?」
虎一郎は細身の男性を見上げると口を開いた。
「あなたは……」
「私はVRゲーム、ザ・フラウのエンジニアの矢口。体を動かせるかい? 君は戦国時代に死んでしまったんだ。覚えているかい?」
虎一郎は矢口の言葉を聞くと目を
「父上!!」
虎一郎は布団から起き上がると、矢口が慌てて虎一郎に言った。
「落ち着いて! 君が死んでから500年以上経っているんだ。信じられないと思うけど」
「500年以上!?」
「そう。君の頭は
するとそこへ
「矢口くん、A4480が目を覚ましたようだな」
「会長! はい、会話も出来ます。大谷社長のプログラムで復元が完了しました」
「はっはっは、さすがは大谷くんだ。歳を取っても
「はい。大谷社長は我らの
虎一郎が会長と矢口の会話を
「A4480。君の頭は発見されてから非公開のオークションにかけられていてね。こちらの会長が落札したんだ」
「おー……、くしょ……?」
すると会長は虎一郎の横に腰を下ろして尋ねた。
「君、名前は?」
「名は、虎一郎。
「ほう、それは興味深い。では、この刀に見覚えは?」
会長は一本の
「それは、私の刀!」
「君と一緒に
会長は刀を虎一郎に差し出すと、虎一郎は
「無念だ……」
それを見た会長は虎一郎に頭を下げると、話しを始めた。
「虎一郎さん、勝手に
「事情がつかめぬ……。どういうことであろうか」
会長は立ち上がると、エンジニアの矢口が虎一郎に説明を始めた。
「虎一郎さん。あなたの頭部は完全に密閉された
「頭が……?」
「はい。虎一郎さんの頭部は地下水が豊富な
「保存されていた?」
「ええ。そこで我々は最新技術で虎一郎さんの脳組織の記憶をデータに復元して、いま虎一郎さんがここにいるのです」
「……簡単には理解できる話では無さそうであるな」
「そうですね。少しずつ理解して頂ければ」
すると会長が虎一郎を外へ誘った。
「虎一郎さん、良かったら外へ出てみませんか」
「……うむ」
会長は虎一郎を外へ連れ出すと、虎一郎は
「なんと美しい土地だ!」
「虎一郎さん、気に入っていただけましたか。この世界は我々が作ったVRゲームの世界なのです」
「ぶい、あーる……?」
「これは申し訳ない。これも少しずつ理解してもらえれば……」
「そうであるか……。私の不勉強、申し訳ない」
「虎一郎さん、この山とこの家を差し上げます。好きに使ってください」
ザザッ
それを聞いた虎一郎は驚いて後ろに下がりながら会長に言った。
「な、なんと!
「殿……。そうですね……、この世界すべての所有者と言って良いかもしれません」
ザッ!
虎一郎は驚いて膝をついた。
「そ……、そうありましたか。とうとう
虎一郎は突然会長にひれ伏すと、会長に言った。
「将軍様、
「虎一郎さん?」
「将軍様、私は何をすればよろしいでしょうか。
「ええと……、虎一郎さん、顔を上げてください」
会長がそう言うと、虎一郎は顔を上げた。
「虎一郎さん、もう
虎一郎はそれを聞くと再び会長にひれ伏して答えた。
「恐れながら将軍様。私は武士でございます。
「そうですか……。では虎一郎さん、この山で畑を
「は……、ははっ、承知いたしました。この虎一郎、この山を
「わ……、わかりました。ではお願い致しましょうか」
「おまかせください、将軍様!」
こうして虎一郎のVRMMO生活が始まったのだった。
ーーーー
※この作品はアルファポリス様で公開中の作品のプレビュー版になり、10話までお読みいただけます。
10話以降はアルファポリス様にてお読みいただけましたら幸いです。
アルファポリス様ページ
https://www.alphapolis.co.jp/novel/442431477/494860431
何卒宜しくお願い致します
オイシイオコメ
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