第5話
入院して翌日、初めて大腸の内視鏡の検査を行った。
このときは出血してすぐで危険なので、大腸の出口のほんの一部だけ見る検査だった。
経験したことのないような血管痛がアキラを襲う。
意識が朦朧としてきた。肛門に麻酔ゼリーが塗られファイバーが入っていく。
口では説明できないが、とにかくキモい。
出口周辺には傷はなく、出血の原因は奥のほうであることがわかった。
以前、うがいのみ。栄養は点滴からのみである。
数日後、初めて胃カメラもやった。
唾液が出にくくなる注射を打ち、のどに麻酔のため液状の薬を溜めた。
のどが麻痺してきて薬を飲み込みそうになり咳き込んだ。
五分後、液を吐き出し、検査台に移動し鎮静剤を打った。
ファイバーがのどから押し込まれる。
すごく苦しく、目で見えるので怖くて嫌だ。
すごく長く感じた、眼からは涙が出ていた。
検査結果は異常がないそうで『予想通り』らしい。
やる必要あったのか・・・二度とやりたくない検査だ。
入院して数日で水やお茶を飲むことは許された。
しかし、カロリーのあるジュース類はダメだった。
その間は24時間点滴をして栄養を摂っていた。
夜でも2,3時間おきにはトイレに行きたくなる。
職場で血便した後、もう一度血便した。
その後は、便すら出なくなった。
腸には水分しか入れてないので当然かもしれない。
出血も治まったのだろう。
入院から一週間が経った。
もう一度大腸カメラの検査をすることになった。
今度は盲腸や小腸の入り口付近まで見て、どこがただれて出血していたのかを探るそうである。
検査の前に腸をきれいにするためにポンプみたいなので肛門からお湯を入れられて洗腸した。
肛門から戻ってきたお湯は赤に染まっていた。
腸のかさぶたがお湯で溶け出したのだろう。
恥ずかしかった。おばさんの看護婦でまだよかった。
それでもかなりの屈辱感を味わった。
前回同様、鎮静剤を打たれゼリーを塗られ検査が始まった。
今回はカーブしている大腸を奥までファイバーが通るためより強く突っ込まれた。
緊張や痛みで肛門に力が入っていたため検査は難航した。
三人ぐらいに押さえつけられていたと思う。
お腹の中で何かが動いているのが分かった。すごく変な感じ。
「ウォォーーーーーー」
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