第2話:目覚めた魔女。
「六長老まで巻き込んで、どんだけ怖い女なんだ・・・」
「で、ここに封印されて眠ってるってことか?」
「ほんとにいいのか、掘り起こして・・・手に負えなくなるんじゃないか?」
「パルヴァローテ様が言ったようにエウリの力を制御するチップを脳に埋め込む
らしいから、それで大丈夫なんじゃないか?」
「そうしないとヤバいことになるんだろ?」
「エウリが自分の力をすべて解放したら俺たちの世界は一夜で終わるって話だし」
「それになにより俺たちの別の敵「アスモデウス」って組織が勢力を伸ばして
来てるってことだぜ・・・。
今回の計画はそいつらにエウリを使おうってことなんじゃないのか?
やつらが最近好き勝手やりはじめたから俺たちにとっても少なからず影響を与え
始めてる・・・このまま放っておくと脅威になるからな」
「しかも人工の魔法使いのクローンまで量産しはじめたって話だ」
「今の所、我々のほうが不利な状況に置かれている・・・対抗できるだけの
戦闘用クローンも持ってないし・・・予算の都合もあるし・・・だから使える
ものは昔の伝説でもいいから使おうってハラなんだろう?」
「こいつを墓から掘り出して我々の兵器としてに敵に対応しようって訳か・・・
ヴァン」
「そうだレノ・・・」
「だけど世界に
「だから今後のことも考えてエウリを俺たちの組織で管理待機させようって計画
なんだろ?」
ヴァンたちは土を掘り起こし棺桶の蓋をあけるとそこに真新しい肉体のままの
女が腐ることもなく眠っていた・・・女と言うより少女って言えた。
死体だからなのか、その顔には人間のような血色はなかった
そして少女の胸に一本の短剣が刺さっていた。
それがアマルダの短剣。
六長老の呪いのかかった短剣が刺さっているかぎりエウリは目覚めない。
ヴァンたちはエウリの遺体を本社のラボに持ち帰った。
ラボの実験用のストレッチャーに寝かされたエウリにさっそく制御チップを
脳に受めこむための処置がなされた。
エウリの脳にチップを埋め込んだとたん、それだけでラボの機器がすべて
エラーを起こしショートした。
「ひとりの小娘のためにラボが使えなくなったわね」
「敵には回したくない女ね」
「まあいいわ、せいぜい私たちのために働いてもらいましょ」
この組織の研究ラボの責任者パルヴァローテがそう言った。
「小娘を目覚めさせて!!」
ラボにいた科学者兼医者のひとりがエウリを目覚めさせようと受容体拮抗剤を
彼女の首に打った。
そしてアマルダの短剣がエウリの胸から抜かれた。
エウリは静かに目を覚ました。
しばらくそのままで瞬きをすると少しづつ上半身を起こした。
そして周りを見渡すと科学者とラボの外にいたパルヴァローテを防弾ガラス
越しに見た。
史上最強最悪の魔女がこの世に目覚めたんだ。
彼女の名前は「エウリュアレー・メデューシ」
世界を滅ぼす魔女。
この世がすべてが彼女によって殲滅されるどうかはバルヴァローテの魔力に
かかっていた。
彼女もまた唯一、魔女狩りから逃れて生きながらえてる魔女のひとりだった。
制御チップが脳に埋め込まれたエウリはバルバローテに逆らうことが出来ず
彼女の命を受けてライバル組織「アスモデウス」を一人で殲滅した。
その魔女エウリがまさに今、俺のマンションにいる女って訳。
で「アスモデウス」を、とりあえずあっさり倒したことで、次の仕事が決まる
まで彼女は待機状態。
制御チップによってエウリの力は適度に制御されてる状態。
だからって檻に閉じ込めておく訳にもいかず、誰かがエウリの面倒を見なくちゃ
いけなくなって結局、俺に白羽の矢が立った。
俺は家族もいないし恋人もいないし独身だし誰かに迷惑をかけることもないだろう
と言うことで・・・。
「
で、エウリと彼女の胸に刺さってたアマルダの短剣と一緒に俺に渡された。
要はエウリの生活も教育込みで俺に面倒を見ろってことになったわけ。
そんな世界を滅ぼそうって怖い魔女が俺のマンションで自分のおっぱいのことで
文句を言ってる。
エウリは今のところ制御チップが効いてるから大人しく俺と暮らしてる訳だけど
それでも彼女の性格は、わがままで自分勝手でもって構ってちゃん。
多くの人や村を滅ぼしたって言うからもっと怖い化け物かと思ってたんだど
魔法を制御されてるエウリってそのへんのギャルと思考は同じだ。
だけど制御チップが故障しないかとめちゃ不安。
機械物は定期的に新品と交換しないで放置しとくとかならず劣化して故障する
から・・・。
でもその不安は当たってたんだな、これが・・・。
つづく。
。
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