第5話

あぁ、私の長いようで短かったこの人生も、終わりか.....。


「だから、お前は危なっかしいんだって!」


自分の事を“死神“と言い張る彼の声がしたような気がした。あぁ、彼が私のこの命を天へと送ってくれるの....?


私がそんなことを考えている間に、誰かに勢いよく左腕を掴まれた。すっごい痛い。でも、前にも同じようなことがあったような気がする。


「ぼーっとしてないでさっさと自分で立ち上がれよ!」


真っ黒の大きな翼に、羊のようなつのを生やした彼が、私の手を掴んでいた。


「ここ、私の学校ですよ...?嫌なんですけど、君みたいな厨二病の知り合いだと思われるのは。」


私がこそこそと彼に対して言う。

彼はきょとんとした顔で、そのあと少し笑い出しそうな顔をしたあと、私にこう伝えた。


「俺は死神なんだぜ?お前の命をもらうためにやってきた。だから俺が他の人に見えるわけないじゃないか?」


確かにこんな人間がいたら即校内中話題になるか....。いや、私にだけ見えるとしても、その格好はそれはそれで結構目障りな気もする。

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