第29話 各停

 各停の電車に揺られる。

「そうだ。あのさ、自己紹介の時にいた頭がピンクのやつ(物理)覚えてる?」

「あー、はい。デュエマやってた」

「そいつ学校辞めたんだって」

「え…そうなんですか」

 車輪の唸る音が心地よい。

「うん。クイ研の副部とかやってたんだけどね」

「雀魂でフレンドになったのになー」

 窓の外で景色が流れる。

「まぁ本人が決断したことだからね」

「そうですね」

 みんな行き先も、速さも違う。

 たまたま駅で会えただけなんだ。

 そんな当たり前のことを実感する日々だ。


 LINEもインスタも繋がってない。

 私は久しぶりに雀魂にログインした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る