第18話 きょうがくの罠

 光台は共学の高校です。

 クラスの半分は男子高校生なわけです。


 イケメン、頭良し、運動良し、そして優しいといかいうチャラ介(クラスでついているあだ名。一番早く茶髪にしたので)や、練習内容を握られているためマネージャー(全身紫)には逆らえないマスカット、嘘か下ネタしか言わないし、授業中寝てるのに頭良いカワサキ、iPhoneを絶対に認めないアクオス…などなどと一緒に授業を受けて、行事に力を注いでいるわけであります。


「でも俺偉くない?ビデオは見てないんだよ」

 昼休み、私の席の真後ろで男子が5人ほど集まってご飯を食べていた。

「偉くねーよ」

「結局やったのかよ」

 何の話をしているんだろう。

「まず塾の授業受けてたらなんか」

「まずがおかしい」

「そんで罪悪感に駆られてランニングしたんだけど」

「おん」

「けど?」

「そこでなんか…んでトイレ駆け込んだ」

「意味分かんないんだけど」

「きっしょいのー!!」

「で寝る前はチャラ介の顔を思い出してやめた」

「全てが遅いわ」

「バカすぎん?」

「いや、これが達成出来れば男としてのレベルが上がる気がする」

「昨日の行動振り返ってみろよ」

「そういう邪な気持ちがよくないと思うわ」

「今日は絶対やんないわ。ちょっと写真撮って。これ決意の目だから」

「アホだな」

「ほら撮ったぞ」


 笑いを堪えるのに必死だったんだが。

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