第11話

僕には彼女がとても大人びて見えた。


彼女はだんだんと成体に近づいてきている。

その時、ふわっと意識が飛びそうなほどに甘い、甘い音色が僕の耳に届いた。


「人魚の....。歌?」


「ふふっ。」


彼女は軽く笑いながらも歌い続けている。

今までの人魚達と、僕はこのような関係を築けていたいたのだろうか?

.....。彼女を手放したくない。僕はそんな醜い感情を胸の奥底に沈めて蓋をした。


一体なんでそんなことを思ってしまったのだろうか?僕は海水に浸かる彼女の柔らかい髪を優しく撫でながら、自問自答する。

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