ヒカル神父と楽しい仲間達

もち雪

第1話

 ここは群馬県にあるキレーニナッテール教会。


 その教会の神父は、加賀谷 ヒカル (カガヤ ヒカル)と言う。ヒカル神父は上機嫌に、講壇こうだんから皆に教えを説いていた。


「今日、皆さんに来ていただいたのは他でもありません。かってないほどの人手不足になりました……。ので、あなたがたが、集められました。」


 教会のバージンロードには、狼男、ヴァンパイアが、猿ぐつわを嚙まされ、ロープでグルグル巻きの状態で転がされていました。


 そしてそれを見降ろすように、フランケンシュタインがバージンロードの横に設置された長椅子の上にすわって居います。


「オレ、行ク所ナクテ助カッタ……」


「わかります! フランケンシュタインさん生活能力なさそうですもんね! でも、大丈夫! 掃除中、うちで家具持ってくれるだけで将来安泰ですよ! そしてフランケンシュタインさんの毎日のお掃除生活をつぶやけるアカントも用意し、そしてもう私はフランケンシュタインさんのアカウントのフォローまでしてあります。教会挙げての大歓待です!!」


 めちゃめちゃハイテンションで、ヒカル神父は、講壇からそう言い放った。


「そして狼男さん! いい恰好ですね! うちで掃除の奉仕を断るからそんな事になるんですよ! ハハハハざまぁですね!」


 床に転がる狼男は、何かもごもご言ってますが……、猿ぐつわをあるので、何を言っているのかわからない。


 「フランケンシュタインさん、すみません、狼男さんの猿ぐつわ取ってあげてくださいませんか? とっても無様で、面白いんですけど意思疎通は大事ですからね!」


「お前は〇す! 〇す! 〇す!、そしてバリバリ喰ってやる」


 狼男は、話せるよになったとたん、この小説の存続が危ぶまれるような言葉を連呼する。


「狼男さん語彙力ごいりょくどうしましたか? 沢山話したわりに会話の内容が2通りしかなかったんですが大丈夫ですか? 猿ぐつわのせいで、語彙力減っちゃいましたか? でも、狼男さん安心してください。私もそんなに語彙力ある方ではありませんので……。そして私の求めるものは、貴方二つ名に関係する事です。『悪食の狼男』そう聞いています……。ここはぶちゃけて聞きます! 貴方、G食べられませんか?」


「〇す!!!」

 

 狼男は、それだけ言うと、話す事を放棄してしまいました。

 

 「無理だったみたいですね! まぁ少し安心したというかお前もやれば出来るじゃん、な気持ちではあります」


「そして最後に……ヴァンパイアさん……あっ……カッコいいですよね。典型的なヴァンパイア……。まぁぶちゃけますが、私、ヴァンパイアハンターあまり好きじゃないんですよね……。以前に居た教会を、穴だらけにされたんですよね。掃除大変でした」


 ヴァンパイアは、何か言いたそうだったので、フランケンシュタインは自主的に彼の猿ぐつわをほどく。


「あ――フランケンシュタインさん、勝手言ってすみませんが、猿ぐつわを、彼らの服に入れといてくれません? 変なシミが絨毯に付くと嫌なので」


「ワカッタ」


「ふざけんな! 勝手にはめといてこんなのいるか!? 馬鹿神父!」


 狼男は、そう吠えますが誰も聞いておらず、猿ぐつわをコートにねじ込まれました。


吾輩わがはいは、なぜここに連れて来られたのだ……」


「モンスターの皆さんを集めるにあたって、教会の情報部が動きました。そして皆様の情報を集めました。典型的なヴァンパイア、貴方は教会の掃除をしてくれるだろうか……? ヴァンパイアは気位が高いこれは世の常識と言っていいでしょう。でも…………、ここで貴方を捕まえないと、この書類ずっと保管しなければならない。そんなの私には耐えられないので、サクッと捕まえに行っちゃいました」


 ヒカル神父は、ウインクして見せた。


「ヴァンパイアのおっさんなぁ、一緒にあの神父を〇そうぜ!なぁ――」


 「勝者必衰しょうしゃひっすいか……、おい眷属けんぞくの若き狼男よ……、吾輩は、吾輩の心が折れるまで、何夜もあの男に〇された……だから今は耐えろ……寿命と言うかせからはあの男も逃れられん……」


「おっさん、気が長すぎるだろう……だが、あいつが無様に老いるのも見て楽しいかもな?」


「ハハハ、勝手言ってると、毎日、にんにく料理と銀食器でぶん殴りますよ! でも、皆さんに私の気持ちが伝わって良かったです。皆さん一緒に祈りましょう!」


「祈るか!?」 「……」 「イノリ?」


 そうしてここ、群馬県にあるキレーニナッテール教会に、新たな勢力が誕生したのであった!



           おわり

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