愛の棲家



「御形さんだ。」


雛月は御形の頬に手を伸ばすと、ふふと笑みを洩らした。


遺伝的に強い方だが、悪酔いする事はあった。普段飲まないので、加減が分からずつい飲み過ぎる。


顔色を一切変えず限界を過ぎ、御形が止める前に酔いが回り始め手遅れに。


止めたところで、酔っ払いは言う事を聞かない。



頬を撫でる手を掴まれ、雛月は瞬きをする。


体温が上がっていた。


御形と雛月は見つめ合う。



「お水持って来るから、飲んで酔いを覚ましなよ。」


濃い睫毛に縁取られた瞳は、誘う様に濡れており劣情を煽られるけど、御形は理性を保ち手を離し立ちあがろうとしたが、その前に指を絡め取られた。



あっと、思った時には体重を掛けられ御形は雛月に押し倒されていた。


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