男はTS妖精となってダンジョンのある現代世界に転生し、サポートキャラとして無双する

さんばん煎じ @WGS所属

プロローグ

 そこはダンジョンと呼ばれる、超常現象によって生まれた迷宮の最下層。


「アクちゃん支援お願い!」

「えぇ」


 草が仄かに光る夜の平原にて、女性四人と妖精一人が、巨大な花の魔物と戦闘をしていた。

 その最中、四人の中の一人で、金色こんじきに輝く剣と持ち、青の鎧を身に着けた女性が小さな女の子に指示をする。


 小さな女の子が女性に手をかざすと、氷を模した立体の魔法陣が現れ、それと同時に、女性に薄い水色のオーロラがかかる。


「サンキュー!」


 その後、花の魔物は地面から生える緑色の触手を使って女性に攻撃を仕掛ける。

 しかし、女性は向かって来る触手に向かって剣を構え、そのまま触手を真っ二つに斬った。


「よし!美央みおちゃん!」

「任せて勇衣ゆい!」


 そうして女性……勇衣が美央に声を掛けると、美央は持っていた杖から炎の魔法を繰り出す。


ファイアード中級炎魔法!」


 炎の魔法は杖から勢い良く噴射され、魔物に直撃する。魔法を受けた魔物の身体は焼け、そのまま体勢を崩した。


「みんな!行くよ!」

「「「うん!」」」


 妖精も陰ながら支援を送り、四人は魔物に総攻撃を叩き込む。


「これで終わりだぁ!!」


 そう言って勇衣は剣を大きく振りかぶりながら、青色のモヤを纏わせる。


「ザンッ!!」

「シャアァァァ……!」


 そして勇衣の攻撃を受け、魔物は力無く叫んで倒れ伏す。


「……やったぁ〜!」


 倒れた魔物を見て、勇衣が真っ先に声を上げる。そして他の三人も勝利に喜んで、ハイタッチをしたり飛び跳ねたりする。


 一方、妖精はそんな四人を見つめ、何か思いふけっていたようだった――

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る