君と僕は忘れることを知らない

なめこのおみそ

プロローグ(たぶん)

人には得意、不得意というものが存在する。


 例えば、足は早いが体力がない。


 そういう人は恐らく短距離走が得意とされる競技になるだろう。


 例えば、"頭は良いが勉強は苦手"。



「……」


「…………」


「なんでこんなのも理解出来ないんだよ!!お前頭が良いんじゃなかったのかよ!!!」


「~ッッ…!もう!うーるーさーいー!!!」



コホン……少し邪魔が入った、例えば、"頭は良いが……



「だ〜か〜ら~!!何度言えば分かるんだよ!!そこはだな……」


「分かった……!分かったから近いって……!」



そうして彼女は顔を赤くし……って違う!!!もういい!おじさんこの仕事辞めるからね!!人が話してる時にイチャイチャしやがってよ!



「?」


「ど、どうして急に黙るの……?怖いんだけど……」


そう言い彼女は俺から少し距離をとるようにして机ごと引っ張る。


机ごと……?


「いや、なんか都合のいい天の声が仕事放棄したかのような気がして……」


「えー?何それ、柊木くんがもらったギフトのこと?」



"ギフト"


それは……

ん?なんで戻ってきたかって?

おじさんも上司と色々あるんだよ……


さて、続きを語ろうか。


_____________________


この世界には生まれ落ちた瞬間に

"祝福"またの名を"ギフト"と呼ばれる

個々人に突出した能力が与えられる。


能力と聞くと某「僕の○○○○アカデミア」などを思い浮かべているだろうが


"超人的なパワー"や"世界を壊しかねない力"

などのような力が与えられる訳ではなく

"少し足が早い"や"聴力が人よりも優れている"

などのような、ささやかな能力である


能力の違いによるいじめなども存在しない。

ささやかな力では、そこまで人に絶対的な自信を持たせることが出来ないからだ。


数年前までは名家と呼ばれる派閥があったようだが、それはまた別の話である____


_____________________

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