第5話
「おっはよー」
目の前で、黒板消しと黒板消しをバンッと叩かれる。
もちろんむせ返る。
「ウケるんだけど」
…何も言い返せない自分が、情けない。
席に座って、机には何もないのを確認した。
けれど、クスクスと笑う声が絶えない。
苦しい。助けて。
携帯なんて持ってきてない、どうしよう。
そんな持っていけるわけでもない、バレーボールが強い中学校。
スポーツだけで成り立っているようなものだった。
だからこそ、私は浮いていたのかもしれない。
私は同じクラスからは嫌われていて
唯一他のクラスの男子1人だけと仲良かった。
その子は、いずれ本職の道へ行くのだけれど。
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