かみひゅうがっ!

霧むぎ

第1話

異世界転生いせかいてんせいみなさんはあこがれたことがあるだろうか…?


この目の前の少女、上日向かみひゅうが あおいはあろうことか休みの日に家まで押しかけ、そんな事を言う。


「”みや”は実際どうなの〜?」


たぶん…葵が”みや”と呼ぶのは、本名が宮﨑みやざき 隼人はやとだからだろう。


「いや…そういわれましても…」


「あれ?なんかいつもより口調固くない?もしかして…」


いつも通りに喋ってるはずなんだが…


「私にれちゃってずかしがってる的な〜!?」


そこでせっかく飲んでたお茶を盛大せいだいき出してしまった。


「おい!まてまて!なぜそうなるんだ?」


「あっ!いつも通りだ〜」


「おまっ…ちょっ…からかいやがって」


「わわ!ごめん」


謝る葵に軽くチョップをした。


「で!話は戻るんだけどさ、結局どっちなの〜?」


今まで、なにもなかったかのように再び葵が話しかけてきた。まじかよ…


「うーん…そうだな…まあ転生してみたいっちゃしてみたいかもな〜」


別に今の生活が特段に悪いわけでもなく、平凡へいぼん。だけど少し楽しい。そんな毎日が続いていた。ただ、刺激しげきがあってもいいのかな?と思ってたりするので、難しいところだ。


「私はしてみたいよ!」


「そうか…今の生活に不満があるのか…よかったら相談乗るぞ?」


「違う違うww」


そう一拍おいて


「なんか異世界転生って楽しそうじゃん!今の生活も楽しいけど、絶対もっと楽しい

じゃん!」


「葵らしいな」


そう言葉を返すのだった。



その後は異世界転生について多少盛り上がってしまった。

葵は魔法まほう使いになりたいらしく、今は詠唱えいしょうの言葉を考えているらしい。


「葵。どうして魔法使いなんだ?」


言葉を考えていた葵は着ていた羽織はおりなびかせながら、こちらを振り向き


「かっこいいから……かな?」


ちょっとカッコつけてみたはいいものの、どんどん葵の顔が赤くなっていく…


「恥ずかしくなるならやるなよ」


「うるしゃい!うるしゃい!」


と頭をポコポコとたたかれていた。

けど、僕はいつの間にかそんな葵のことをかわいいと思っていた。


「”みや”は転生したら何するの?」


まだ顔を赤らめている葵が言った。


「そうだな…まあ魔王を倒すんじゃないのか?」


そう言うと葵は驚いた様子で


「”みや”も珍しいこと言うもんなんだね…てっきりハーレム計画かと…」


「おい、ちょっと待て。僕ってそんな風に見られてたのか!?」


「えっ違うの!?」


こいつはなんてこと言い出すんだ…


しばらく雑談や雑談、そして雑談を繰り広げたあと、葵は用事があるらしいので、せっかくだから葵の家まで送ってやることにした。


「送ってくれるなんてめずらしいね〜」


「まあ…もう真夜中だしなぁ…流石さすがに危ないだろ?」


「おっ気遣ってくれてるじゃん!ありがとね」


なんかちょっと恥ずかしいな…


「にしてももう4月だよ〜」


「そうだな。」


「なのにだよ!一向に暖かくならないじゃん!その真相をさぐるべく私たちはアマゾンの奥地に…」


「いってらっしゃい」


「冷たっ!?外の気温と同じぐらい冷たくない?まあいいや」


いいのかよ…と心の中でツッコんでいたら、葵の家に到着した。

葵の家は案外近く、チャリで飛ばして自宅から5分くらいのところにある。


「それじゃ!また明日ね〜」


「また明日な…」


最後まで葵は元気いっぱいの様子だった。



「疲れた…」


いわゆるしゃべり続けたということだろうか…ちらっと見た時計はとっくに22時を回っており、単純計算9時間ほど喋っていたということになる。


「えっ…9時間!?」


よく話題が尽きないものだと感心しつつも、一番大事なことを今思い出した。

そう、今日は3月31日。つまり、春休み最終日なのである。

僕は高校生だからもちろん課題もあるわけで、そして肝心かんじんの課題はおどろくほどに白かった。


「寝れるといいなぁ…」


そんな感想をいだくのだった。



<あとがき>


小説を読んで頂きありがとうございます。

作者こときりむぎです。

誰かさんに感化(?)されて小説を書き始めました。

完全に初心者なので(文章書くのは読書感想文以来…)

読みにくい箇所かしょ等々あっても大目に見てください。


週1~2投稿予定です。

次回作もお楽しみに!!


☆☆☆

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