第74話

「オマエ…見ちまって、ビビってるだろ?

 俺の服の下…(冷笑)」


「…!」


「フフフ?

 ハハハハハ!」


「………」


 希望の求める儘に、頭髪をベリーショートカットに変え、耳朶にピアスこんを幾つも穿った哲―その姿は、以前の彼とは違って仕舞っている…


 彼とちかしい間柄の西風でさえも、彼との距離を計り兼ねていた……。


「ふふっ…炯介けいすけ君、困ってたよねえ?

 良く出来ました…アキラ♪」


「…フ…?」


 然り―既に哲は、身も心も…希望の嗜好に支配され、忠実である事に至上の悦びを覚えていたのだ……。

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