第63話

〝僕は…

 君の物……〟


〝君と僕の、いと

 あの楽器ヴィオラに、触れる様に……〟


 俺なんて…所詮、one of them―


〝‘Only one’〟


い音が、鳴ってるよ…?〟


〝愛しい…僕の、ヴィオラ……!〟


 もう…どうなってもいい……


 明ちゃんは…天才。

 奏ちゃんは…秀才。


 炯ちゃんは…何時いつだって、前向き……


 俺は、何で…

 自己否定しか、出来ないんだ……!


〝哲ッ!

 何で父さんが教える様に―〟


 …キサマのヴィオラ…

 詰まんねェんだよ……!


〝アンタみたいな出来損ないが弟なんて―〟


 …で?

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