第22話

「アンタって、ホンット…要領悪い(嘆息)。

 姉さん…情けないわ……」


「………」


「ま…東音大附属中に受かれば、スパルタ教育パパ殿の御指導も…一寸はマシに変わるかもよ…?」


「………」


 英も哲も、「東都フィルハーモニー交響楽団」所属ヴィオラ奏者である、父親の独断専行で、父に三歳から、ヴィオラを持たされた。


 姉は幼稚園から、くだんの音楽大学附属校に通い…現在は高校生で、既に大学への推薦も約束されている……


 しかし、哲は…小等部の入学に失敗し、編入枠の無い儘、中学受験での合格を目指すのみだ……。


「父さんじゃないけど…

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