第4話

 悄然とする後輩に背を向けて、少年―四ノ原螢河けいが(18)は、水泳帽スイムキャップを脱ぎ…デッキチェアで伸びをする、水泳部顧問の男性教諭に向かって一礼し、彼に云った。


「僕一人の為に、済みませんでした…教師せんせい


 螢河の言葉に、教諭は微苦笑し…肩を竦めて応えた。


「いやいや…


 四ノ原は、我が冥應高きっての…


 文武両道の、エリートだからな?


 お前専任のプール監視員なんかは…当然の業務さ?」


「……」

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