物理的に矯正される、生(いき)人形―秋野 楓

第9話

 どれ位の時間が、経ったのか…


 手術灯が消え―ひらいた鉄扉の向こうから、槇太郎が姿を見せた。


「パパ!?」


 桜は、彼に駆け寄る……。


「第一段階の手術は、成功した……」


「……!

 良かった―」


「安心するのは、未だ早い。


 云っただろう…

 お前の為に、私は譲歩したんだ。


 あいつを認めた訳じゃない……」


 科学者然とした槇太郎ちちは、容赦無く冷厳だ―


「………」


 むすめは…頷くしかない。


「……

 あいつには…篤と『自覚』させねばならん……


 も無いと…

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