生命(いのち)に別状は無い、死体―鬼島(きじま)楓一(そういち)

第3話

 某救急病院の、救急治療室内―


 救助現場の遺体を収容する目的で使われる、袋…


 そのジッパーが下ろされ―中から、目を覆いたくなる程に激しく損傷した、血に塗れた半裸の少年が…


 寡夫・秋野しんろうは、溜息をき―彼の一人娘・桜を顧みた。


「…こいつが、『オニジマ・ソウイチ』か……?」


「うん…

 お願いよ?パパ!」


 さか、斯様な事態になるとは…


 彼は、娘を落ち着かせ―救急医に提案した。


「急ぎ、彼を…

 この私に、委ねて下さいませんか?」


「え゙ッ!?(驚)

 …ほぼ、即死状態では―」

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