第36話

 鋭知は、読んでいた本を閉じると―ばつが悪そうに顔を赤らめながら、口をひらく……


「あなたの事は…

 忘れてません……


 Dr.(せんせい)に、伺いました…


 ぼくが預けた、品の無い手紙を…

 独断で、あなたに渡しちゃったそうで……(大恥)」


 祈は、想い出す…鋭知は苦笑して、真顔で云った。


「本当は―


 聞いて戴けますか…?」


「…ええ…」


「本当は…

 こう云いたかったんです……


 『あなたを、提供者ドナーとして支える生活で…

  ぼくは、あなたの生きる輝きを戴きました。』

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