第32話

 優しい笑みを浮かべる、鋭知……


「……!」


 祈の涙が、その写真に落ちた。


 ベッドで眠り続けている、鋭知…


 その顔色は、蒼白く…

 その体は、痩せ細り…


 写真とは、別人の様に変わっている……


 祈は震える手で、鋭知の頬に触れる…


 冷たい…


 曾て自分が感じていた、あの温かさは消えていた……。



「…どう有っても、短大を辞めると…?」


「…御免なさい…

 我儘で……


 私は、看護師になって…

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