第19話

「鋭知さん、ピアノが弾きたい…」


 見えぬ目でもミスタッチする事無く、ピアノを弾きこなす、祈…



「外に出たいわ…?

 鋭知さん…」


 鋭知は祈を「御姫様抱っこ」して、ゆっくりと歩く…



「学校に、行ってみたいの……*」


「はああっ!?

 そりゃ、無理!!」


「…どうして…?」



 俺が恥づい!



「…云えるかよ…(嘆息)」


「……


 …鋭知さんは、高校へは…?」


「…中学の卒業証書も、貰ってないさ(溜息)。

 あいにく、少年鑑別所カンベツの中でさ?(苦笑)」


「『かんべつ』…

 『鑑別所』……」

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