第3話

 「『ブラック企業』ではない」とは云い難い、強引な経営方針…

 己自身、帳簿上の疑義を一度ならず覚え、幾度と無く指摘した…

 しかし…寄辺無き境遇の小娘に、「この場に出ろ」との、社命が下されたならば……


「…公認会計士の方にも、監査に入って戴いております……

 わたくしでは御話にならないと仰有るならば、そちらの事務所の連絡先を―」


「―いえ、寧ろ逆です」


「えッ…?」


 気を張っていたひかりは、拍子抜けした。

 彼女とは対照的に、盈一は終始、揺るぎ無き信念に満ちた面持で、ひかりと相対している…。

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