終わりの始まり―応接室

第2話

 某消費者金融会社内。

 所謂「ヤミ金」の疑惑を持たれながらも、ヤクザならではの巧妙な手管で、依然として法の摘発を摺り抜けている…


 其処へ―果敢にも一人の青年弁護士が、足を踏み入れた。



〝東関東法律事務所

 弁護士 鏡 盈一えいいち


 そう記された名刺を、接客テーブルの端に置いて、一人の女子事務員は、その青年―盈一を、真直まっすぐに見詰めた。


「…あけひかり、です。

 『経理担当を』、という御要請でしたので…わたくしが、御話を伺います」


 ひかりは自分に、必死で云い聞かせていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る