第123話
ピアノの低音側の椅子に座らせられた明良は、『カンガルー』の楽譜に、目を走らせる……
「明ちゃん……
ピアノも…弾けたのか……!?」
ステージ下で驚愕する周に、和嶋が応えた。
「楽器を鳴らし始めた頃に、習ってたらしいよ?
早々に…
見切りを付けたそうだけど……」
「知りませんでした……」
「何せ…
御兄さんが、超天才だからな……
でも、ほら…
昔取った、杵柄……」
「……!」
ミスタッチをする事も無く、初見のピアノ曲を弾き
「フッ…
想定以上だ……!!
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