狂詩曲(ラプソディー)―明良―

第115話

 「JBMシンフォニーホール」内―


 メインホールのステージ中央に置かれた、グランドピアノに座る天降が、激昂して鍵盤を叩いた。


炯介けいすけ

 弓が揃ってない!」

「!

 さーせん……」

「一番短い第四曲で、それじゃ…先が思い遣られるな?」

「……」

「御前が主人公になって、どうすんだよ!?

 この、『亀』!!」

「!!

 ………」

「全く…

 弓合わせも出来ないのか?

 この、第二ヴァイオリンは……


 次、第五曲…

 コントラバス!」

「はい!」

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