第111話

 よもや、彼が―己が操っている鬼畜供の調査を、既に進めていたとは夢にも思わぬ天降は、遂には彼に、その確信を与えたのであった……。



 高校一年の…夏だった。


 校内のピアノ練習室で、巫琴は天降と連弾していた。


 それは、ピアノ科の学生同士では、ごく普通の日常であり…幾度と無く繰り返されて来た光景であった―この日迄は……。


「巫琴…

 俺のものになれッ!」

「先輩!?

 やァ―…ッ!!」


 巫琴は突如、天降に強引に迫られ…必死に拒んだが、敵わず―結果、不幸にも…妊娠して仕舞った。

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