不協和音(ディソナンス)―理律夫…そして、巫琴―

第104話

 天降が、己の野望を確実に叶える為だけに、更なる魔性の謀略を巡らせていた、寝室とは壁隣になる、ピアノ練習室―


 あの夜から、僅か数日後…


 彼は、其処に理律夫を呼び、グランドピアノの調律をさせている……。


「…そう…

 それが、俺の音だ……」

「かしこまりました……」


 理律夫は、音叉チューニングフォーク基音ピッチを確認し、チューニングハンマーでチューニングピンを回して、工具を使いながら、弦の一本一本から出る音を聞き分けては、その高さを調節して行く……


「今時は、電子チューナーでも調律出来るけど…

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