第73話

 いや、寧ろ―自分達が、彼女の夫の被害者という真相に繋がる情報は、伏せたかったので―それを是とした。


 だが、のちに振り返れば―外記という男には、そんな考慮は無用だった……。


 そして、今も―外記は、フロアの一隅の壁に凭れ掛かり、携帯端末に耳を押し当て…ニヤニヤと笑いながら、何者かと通話している……


「アンタ、言ったじゃん?

 成功したら…一生、目ェ掛けてくれるってよ……

 パチ打ち過ぎてさ(苦笑)。

 ガキも生まれるし…

 少し、都合してくれね?

 ………

 サンキュー!

 矢っぱ…セレブは違うぜ☆」

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