第57話

「はぁ?

 オマエ…

 そんな口、きける立場?」



 外記が姿を現した瞬間―二人は、彼が加害者の一人だと気付いた。


 しかし…彼の妻子を憎からず感じていたが故に―彼等は、敢えて知らぬ振りをした。


 なのに……


「私達なんか…

 見もしなかった……!


 何も無かった様に…

 忘れてるんだ……!?」


「名前すら、変えずに…

 ずっと、生きて来られたんだ……?


 結局…

 何もかも、変わらない儘で……!?」


「……リッちゃん……」


「僕達は…

 憎むよりも先に、生き直すのに必死で……

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