第37話

 君が、夢を叶えてくれたら…

 僕達は三人で、幸せになれる……!」


「……!」


「今は未だ、辛いだろうけど…

 君なら絶対に、乗り越えられる……


 ゆっくりでいい…

 少しずつ、チェロに触れて上げて欲しい……


 アキのチェロ(あいぼう)は…


 何時いつでも、待ってるから……!」


「!?」


 明良は、驚きの表情かおを見せた―


 彼のチェロケースを携えた巫琴が、彼に微笑み掛けながら、穏やかに云った……


「アキちゃんの、大切なチェロ…

 元気になったよ……?」


「……!」


 明良は、声を上げて泣き出した……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る