第22話

「兄ちゃん!?

 ありがとう!!!」


「そう…?

 なら、御願いするわね……」

「兄ちゃん、ありがとう!

 大好きだよ、兄ちゃん!!」


 熱に浮かされながらも、心底嬉し気に躁ぐ明良…


 そんな弟の愛おしさに、理律夫は目を細め、彼に優しく囁いた。


「新しい『白鳥』の楽譜…

 君に上げるから♪」


「!

 兄ちゃん…*」


「フフフ?


 じゃ、行って来ます!」


「行ってらっしゃい!!」

「気を付けて!?」


 理律夫が表の門扉を開けると―既に巫琴が、彼を待っていた。


「アキちゃんの具合…どう?」

「熱が高くて…

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