第3話

 可憐な彼女の笑顔に、彼は微笑ほほえみで応え…白い手袋を嵌めた手で、工具ケースの把手とってを掴んだ。


 青年の名前は、作野さくの理律夫・31歳。ピアノに対する知識と技術は勿論、愛情の深さでも評判の、一廉ひとかどの調律師であり…

 ピアノ講師で同い年の妻・巫琴と共に、この「河原かわはら楽器」で働いている……。


「おっ、そうだった…


 JBM交響楽団御用達の、コンサートチューナー君☆」


「~止して下さいよ(焦)。


 そもそも…JBMから、仕事を戴けたのは―」


コネ


 この業界じゃ、重要だぞ~?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る