第27話

 依然として、記憶が戻りません。


 その為…

 情緒面にも回復が、見られません……」


「云われた通りに、行動する…

 それを、積み重ねて…日常生活を、憶えさせて行くしか無かろう……」


 花奈と浩生が収容された、「重犯被害者保護施設」―


 胸が潰れる想いで、「医療チーム」スタッフ一同は、くだんの二人を顧みた。


 端正にして愛おしい、娘と青年…


 既に、彼女達には…

 愛らしい子供達をいだく、心優しき父母と成る、未来は無いのだ……。


 しかし―


「『桜井』…

 『花奈』さん…?」


「はい…『先生』」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る