第8話

 二人の胸の鼓動が、重なって行く……。



 千聖が「献血デビュー」して、凡そ二十分後―


「キャー!?

 千聖が泡吹いて、倒れたー!?」


「イヤー!?」「キャー!?」


「ワー!!」

「マヂかよぉ…!?」


 ザワザワザワ…皆が騒然となっている教室内で、愁が冷静に云った。


「貧血だ!


 みんな、落ち着いて!?

 僕が、保健室に運びます!!


 先生は、救急車を!?」


「キャー!」「ピューピュー!」


 先程迄とは、別のニュアンスの声が上がる中―愁は、千聖を抱え上げた……。

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