心震わす、律動―「CI-108・秋月 愁」の場合

千聖が恋した、心優しき保健委員

第6話

「秋月くん…

 それ、何のプリント?」


「冬木さん…

 これの事かな?


 これは、保健委員の配り物だよ?」


「フーン…


 一寸、拝借♪」


 某公立高校内―


 長い渡廊下で、一年C組・冬木千聖(16)は、クラスメイトの秋月 愁(16)から、一枚の配布プリントを寸借した。


「…献血?

 こんな寒い時期に…珍しいね?」


「うん。

 そんな時期だから、血液が不足してるんだって?


 よかったら、冬木さんも協力して…?」


 優しい心遣いが出来る上、端正な顔立かおだちをした、艶やかな黒髪ショートカットの保健委員・愁…

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