第36話

「…た…だのっ…


 かず…お…?


 う…」


「教化プログラムを始める…!


 まずは…

 五感で、現実を知るんだ!?」



 ヴィィィィ…ィィィ…


「…う…


 ゆるして…


 はっ…は…


 ゆるして、くださいっ…!」


 数男は、施術台に拘束され、超高性能の体感システムに繋がれている…


 目も耳も塞がれ、其処から伸びた幾つもの端子とコードから、様々な情報と感覚が、強制的に流れ込んで来る……


 それは―彼に、自己のマイナスイメージばかりを、執拗に繰り返しては、追体験させ続ける―無間地獄だった。

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