豺狼、狂狷にして狡譎(こうけつ)

第12話

 果たして―巧矢は、けだものだった。

 咎められる度に、「恵まれぬ家庭の少年」に対する「世間の同情」に甘やかされ…

 一度たりとも、反省する機会を与えられぬ儘―己の快楽のみを、貪り続けて来たのである。


 そんな巧矢に取っては、今回の「逮捕」も、「保護観察中」の出来事の一つに過ぎず―彼は、あかりから奪い取った金で、ちゃっかりチョコレートを買い喰いし…

 確り毎食を取り…

 ぐっすり安眠している……。


「鑑別所で、『高校で勉強したい』等と、かしながら…

 ろくに、通学もせずに―」

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