第9話

「……」


「ちょっと!?

 あかりちゃん、大丈夫!?」

「又、あのケダモノ!?」


 日頃から、あかりを心配している、近隣のへやの中年主婦達が、集まって来る…

 あかりは血を拭い、着衣を正して、彼女達に敢えて笑顔で応えた。


「大丈夫です……


 私が…

 あの男性ひとを怒らせる様な事、云ったから……!?」


「あかりちゃん……」

「あなた…

 あんな、ヒモなんかに……」


「……」


 あかりには、既に分かっていた…


 巧矢は、間違い無く…「最低男」だと。


 彼は、彼女の全てを奪い、逃げる…

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