第49話

 一人の「女」に初めて指摘されて、佳一は左手を見た。


 薬指で光っている、指輪リング…彼は、それを指から外し、内側を確かめる……


〝Keiichi & Kanako〟


「…『か…な、こ』…?


 ~~クソッ!

 思い出せねー!?」


 無性に、泣きたくなる……


 どうやら自分は、一部の記憶を失くしているらしい…次第に佳一は、それに気付いて来た。


 彼は改めて、唯一の所持品である、ベルトポーチの中身を確認する―

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