第31話

 千歳の涙に気付き、忽ち動揺する優一…


 千歳は、優一の言葉を―己の唇で止めた。


「んッ…!?」


「……


 嬉しい……!


 私もっ…


 優一くんを…

 愛してる……!」


 千歳のキスが、優一の唇に降り注ぐ…


 それは、優一の理性を剥ぎ取ろうとするかの如く―煽情的で、官能を疼かせる物であった……


「…ち…と、せっ…!?」


「…御伽話の、眠り姫だって…


 綺麗な儘では、目覚めなかった……!」


「あッ…んッ…!?」


「…貴方は、覚えている筈よ…?


 私の…

 このキスを……!


 そして…


 私の…

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