眠れる森の王子様―誓いの十五年間

絡み合う荊棘(いばら)―千歳の哀訴

第9話

 小学五年・十一歳の千歳に取って、おないどしの優一が遭った交通事故を、の当たりにした衝撃は、激甚な物であった。


「私のせいだ!?


 川崎くんが、死んだら…

 私、生きてけない!!


 私が死ぬから!?


 だから、私の代わりに…

 川崎くんを、助けて!!」


「千歳…!」「千歳……」


 千歳の言動は、普通のちとせとは違っていた…彼女の両親は、即断した。


 速やかに彼等は、家庭裁判所へ申立書を提出し―優一を養子にする許可を得た。

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