絡み付く荊棘(いばら)―優一の挺身

第5話

「カラスがカワサキと、ネツアイ中~!」


 クラスの問題児グループが、千歳と優一を取り囲む…


「夏でもないのに、アッチッチ~!」

「…で、カラスヤマさん、カワサキさんとは、ドコまで?」

「チュウとか、してるの~?」


 哄笑…


 千歳は、子供に有勝ちな反応で、不用意に、声を上げていた―


「やめてよ!?


 川崎くんなんか、好きじゃない!!」


「!!」


 彼女の背中で、優一は目を伏せた……。


「何だよ、もうハキョクか~?」

「つっまんねーの!」


 忽ち興醒めした連中は、千歳と優一を残して、去って行った。

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