第33話

「ハハハ…

 いいんですって?(苦笑)


 どうだい…

 色黒の、色男に成れたぞ?

 私同様、煤被り姫に成った…コンラッティ嬢☆」


「ええ、素敵♪」


「いっそ、染み隠しに…

 ずっと煤化粧しとくかな?ハハハ…」


「ウフフ…?」


 そんな軽口を叩きつつ、ルカは手拭タオルを手にして―

 笑いながら、マリナの顔の煤を、優しくぬぐい取る……


 斯くの如く…マーカント製鐵の経営改革は、頗る快調―

 すっかり皆と打ち解けたルカは、連日マリナと煤塗れになりながら、工場の改築に、余念が無い……。

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