遺された「アイのアカシ」―有砂(アリサ)の決断

第2話

「…これが、『アイのアカシ』。


 『愛してる』…証拠」



 ピッ、ピッ、ピッ…


「………」


 ピッ、ピッ…


 シュー…シュー…


 ピッ、ピッ、ピッ…


「………」


 某救急病院の、集中治療室内―


 全身を包帯で覆われ、医療機器類に繋がれた儘、ベッドの上で昏睡し続ける、若い男…

 彼は、自動車事故を起こし…死に瀕していた。


 その青年の傍に、無言で佇む、若い娘…

 彼女の頭の中で、谺するのは…曾ての彼が、彼女に告げた、言葉……


 これが…『愛してる』証拠……


〝婚姻届〟

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