第37話

 公判で初めて知った、草司の衝撃的にして、不遇なおい立ち…


 だが結局は、「心神耗弱」で「何の記憶も無い」儘に、一人の女を毀した「加害者」が、厚かましく免罪符を求めているに過ぎない……


 当時の珠実は、そう断罪した。


「彩木君に…

 貴女が妊娠し…

 出産するに至った旨を、説明しました……」


「何で!?


 関わりたくないって、知ってるでしょう!?」


「…私の独断で、申し訳有りませんが……


 曲がりなりにも、彼は…

 生まれた子供さんの、父親なのです……


 彼には…

 その自覚と、責任を与えて―」

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