第35話

 珠実は草司に、彼が勤務先で愛に出逢う事と、己が参加出来ぬ時に限り、愛に纏わる行事に来る事を許した。

 果たして草司は、彼の娘の為に精一杯、心を尽くした……。


「愛の為…

 愛の……」


 珠実わたしは…?


 貴方の、愛は…

 むすめの為だけに…?


 不意に珠実を揺さ振った、想い…


 これは―


 嫉妬…?

 私が、愛に…?


「………」



「彩木君は、幼少期から…

 実の両親に、虐待されていました……


 有ろう事か…

 性の捌口にされ…

 万引をさせられ…

 家事も押し付けられ…

 奴隷の様に……

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