第17話

 『契約』もして貰います。


 但し…

 あのひとが、『沖元』になるのが、条件ですけど?」


 珠実の思い切ったもうしに、少なからず驚く、弁護士―


「結婚を…?」


「『入籍』です。


 娘の戸籍を、キチンとしたいから?

 『父親』の前科を、消す為に…


 彩木が18になったら、手続を……」


 それから、三年―弁護士を通じて、「沖元草司」から、若干の金品と、手紙が届けられていた。


 服役中に支給される、刑務作業報奨金。


 刑務所内の工場で作られた、紙製品。

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