突如舞い戻った、青年―清春の本意と、本音

第28話

 清春が、「激安食堂」を去ってから、数ヶ月―


 その店先で、声一つ。


「フーン…

 チョイと、小綺麗になったじゃね?


 俺様の御蔭で…

 そこそこ儲かったか☆」


「桜木くん!?」


「フフン☆


 見ろよ?

 シショー…」


 カッチリと、紺のスーツを着込み―突然現れた、清春…


 彼は店主の鼻先に、一枚の書状を示す―


 それは、「調理師免許」の、免状であった……。


「桜木くん…?」


 清春は、何か言おうとする店主に、くるりと背を向け―


 吃驚顔の儘の、店主の妻の横を通り過ぎ…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る