第17話

「ウチの宿六なんて、関係ないわよ!?

 桜木くんのもとでなら、喜んで働くわ*」


「オカミ…?(汗)」


 店主夫婦に散々持ち上げられた清春は、廚房内へと「避難」する…


 清春に続いて、其処へ入ってきた小町が、彼に訊ねた。


「今更だけど、桜木さん…


 もしかして、料理人だったの?」


 少しずつ、次第に痩せて来た清春…


 彼は、鼻の頭に下がって来た、素姓隠しの度無し眼鏡を摺り上げ―全体的に緩んだ、白衣の袖口を捲り上げつつ、小町に苦笑して答えた。


「まさか…


 『ヤクザ』だったって、知ってるだろ?

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